10億円給付金偽申請のウラに“六本木人脈”「何千人集めてでっかい仕事を」(2022年6月6日)

 家族ぐるみでおよそ10億円に上る持続化給付金を騙し取ったとされる事件で新たな情報です。嘘の給付金の申請者が増えていった背景に「六本木人脈」と呼ばれる、東京・六本木の飲食店を舞台にしたグループの存在が浮かび上がってきました。

 協力者は谷口光弘容疑者にこう話を持ち掛けたといいます。

 協力者:「何千人も集めるので、でっかい仕事しましょう」

 家族ぐるみでおよそ10億円にも上る持続化給付金をだまし取ったとされる今回の事件。これまでに詐欺の疑いで、谷口梨恵容疑者と長男、次男の3人が逮捕され、主犯格とみられる元夫の光弘容疑者が指名手配されています。

 元家族4人を含む犯行グループが申し込んだ嘘の申請は、4カ月間でおよそ1800件。

 谷口容疑者の事務所で働いていた男性:「毎日メールや郵送でマイナンバーや保険証のコピーが送られてきていた」

 光弘容疑者の事務所で働いていた男性が見たのは、ずさんになっていった申請の実態・・・。

 谷口容疑者の事務所で働いていた男性:「そのうち一人ひとりの申請データを作るのがしんどくなり、1枚嘘の確定申告書を作成したら20人同じ内容で作るようになった。名前と年齢が違うだけで申告上の数字は一緒だったり」

 申請書の作成が雑になるほど嘘の申請者が増えた理由。それは光弘容疑者にある協力者が現れたことがきっかけだったとみられています。

 グループの関係者によると、2020年の初めごろ、六本木界隈で遊んでいたという光弘容疑者は、ある飲食店の従業員の男性に500万円を貸したといいます。

 金を借りた男性は現在、その店を辞めていますが、光弘容疑者への借金返済費用の代わりとして、自分の人脈を使うことを提案。その時、男性は「僕が何千人も集めるのででっかい仕事しましょう」と持ち掛け、申請者の輪が一気に広がったとみられています。

 店の客の中には3月中旬に男性からこんなメッセージを受け取った人もいます。

 協力者:「資金繰りに困っている人がいたら紹介して下さい。担保融資であれば即日現金用意できます」

 また、関係者の話では、光弘容疑者自身がセミナーのようなものを定期的に開いていたのではなく、集まった参加者が、知り合いを紹介していくうちに、次第に規模が大きくなっていったといいます。

 六本木での人脈から爆発的に参加者を増やしていった持続化給付金の詐欺グループ。主犯格とみられる光弘容疑者は事件後、インドネシアに逃亡したとみられますが、グループ関係者によると、今回の一連の犯行で6000万円近くが容疑者の懐に入ったといいます。
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