世界は本当に素晴らしいのか?                      『新・霊界物語 第百十四話』

「世界はなんて素晴らしいんだろう」
 たしかに個々人の幸福感からすれば、そう感じることはあるでしょう
 子供が生まれて、そう感じることはあるでしょう。
 あるいは好きな人に告白して、恋人にプロポーズして、そう感じることもあるでしょう。
 大学に合格して、仕事で世して、「世界はなんて素晴らしいんだろう」と、そう感じることもあるかもしれません。
 旅行してそう感じることもあるかもしれません。
 個人的な幸福感は確かにありますから、皆が人生の折々に、きっとそう感じていることでしょう。
 しかし自分のことはひとまずおいといたとして、世界に目を向けた時、厳密に言えば世界の闇の部分を、じっと直視した時、一体だれが心の奥底からこう言えるのでしょうか?
「世界はなんて素晴らしいんだろう」
 ”2分30秒たらず”という短い時間の間だけ、「自分一人の幸福」というものを忘れて、そして今現在、世界にある悲しき闇の部分をじっと見つめ直した時、おそらく一人もそう言えなくなってしまうのではないでしょうか。

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